Nikon F2 ai Nikkor 50mm f1.4s
Kodak Tri-X400 D76 1:1希釈現像
カラスってのは仲間意識が強いらしく、仲間の死体が吊るされているところを避ける傾向にある。これは「仲間がやられた→次は自分かも」という認識が働くからと考えるのが一番自然と言えるだろう。
実に理性的な判断であると思う。
一方で、フランス革命の時代から人間の本質は理性だと一応は説明されてきたわけだけれど、頭に血が登って後先考える事無く違法行為に走る輩の多さや、自殺願望を持つ者の多さからするとそれについても懐疑的にならざるを得ないね。そもそも自己保存欲求は生物として最も基本的な要素のはずなのに、なぜそれに逆らう行動を自ら好き好んでとろうとするのか。
そう疑問を持った人たちもたくさんいたのだろう。20世紀に入ってからの構造主義者たちは「人間の本質は自然界からのズレだ」「人間の本質は混沌だ」と主張してきた。フロイトもまた「人間はホモ・サピエンス(理性の人)ではなく、ホモ・デメンス(錯乱せる人)だ」と主張する。だからこそ人間は本来であれば到底選択し得ないような愚かな行動をとってしまうのだ、と。
こっちの説の方が遥かに説得力があるように感じる。
理性と混沌の双方をその内部に持つ存在。「自己矛盾を持った存在」こそが人間の定義だとするならば、その自己矛盾は人間が人間である限りずっと解決できないままついてまわる。
やれやれ。俺達は実に奇妙な生き物として生まれたな。
でも折角だからこの状況、俺は出来る限り考え、行動し、楽しんでみようかと思う。
モニターの前のあなたもご一緒に如何ですか?